みずほ銀行のシステム障害のまとめ。「管理命令」を発動ってなに?

みずほ銀行のシステム障害のまとめ。「管理命令」を発動ってなに?

システム障害が多発するみずほ銀行のシステムについて、金融庁が直接監督する「管理命令」が発動された。

これは異例の行政処分となる。みずほ銀行が進めるシステムの更新作業や保守作業を共同で管理し、必要に応じて運営体制の見直しも命じることができる

金融当局がシステム運営を直接監督することで、障害再発を最小限にとどめ、金融システム不安への広がることを防ぐ狙いがある。

みずほ銀行のシステム障害のまとめは以下の通り。

2020年11月30日 みずほ銀行が法人ネット取引で障害発生。一部送金ができず。
2021年2月28日 みずほATMが一時停止。全国の8割の4318台に影響。ATMで預金を引き出せなくなったほか、インターネットバンキングも一時停止した。他行分を含め計5244件のキャッシュカードや預金通帳がATM内に取り込まれる被害が出た。
2021年3月1日 ・商業施設を含む支店外の出張所で停止しているATMが17カ所残った。
・システム障害の原因は、定期預金に関する月末定例のデータ更新25万件に、不稼働口座に関する不定期の更新45万件()が重なり、システムに処理能力以上の負荷がかかったことなどが原因と説明した。みずほ銀行の藤原弘治頭取は「見積もりに甘さがあった」と釈明。
デジタル口座への移行に向けた口座情報の移し替え作業が原因の一端だった。通常のデータ更新作業25万件にデジタル口座へのデータ移行作業45万件が重なり、基幹システムの容量不足に陥ったもの。
・一つ目の甘さは、定期預金の積み立てなど通常の取引量が多い月末に、システムを増強せずに臨時のデータ移行作業を行ったこと。
・さらに、新しい基幹システムが持つ「自衛機能」の影響も見誤っていた。不具合がシステム全体に影響するのを防ぐため、基幹システムがATMとの連携を一部遮断し、ATMの処理速度が低下。取引の異常を検知したATMが「預金者の被害を食い止めるため」に、カードや通帳を次々と飲み込む事態が発生。これは盗難カードの不正使用など犯罪被害を防ぐため、ATMが不自然な取引を検知すると通帳やカードは機械に取り込まれたままになる。その場合、ATM横の電話で連絡することになっている。
・しかし、障害が発生した28日は休日ということもあり、人員不足で同時多発的な障害への対応が不能となった。藤原頭取は「データ移行を考慮して当初から人員を厚くすべきだった」と、この点でも甘さを認めた。
・また、みずほ銀は28日午後2時半ごろになって支店の従業員に出勤を指示したが、対応が遅かった。
2021年3月2日 麻生太郎金融相は「原因の究明と再発防止をしっかりしてもらわないといけない」と強調。また「顧客が迷惑するのが一番の問題だ」と批判した上で「丁寧に対応してほしい」と注文を付けた。
2021年3月3日 金融庁が、システム障害を起こしたみずほ銀行と親会社のみずほフィナンシャルグループに対し銀行法に基づく報告命令を出した。
麻生太郎金融相は「年度末で忙しかったとか、機械のシステムを入れ替えた途端に止まったとか、そういうのはプロとしてはいかがなものか」と指摘。
2021年3月4日 みずほ銀行のATM29台が一時停止し、キャッシュカードや預金通帳が戻ってこないケースもあった。
3日午後7時58分から3分間、ハードウエアの不具合でシステムセンター間をつなぐネットワークが寸断したことで、29台のATMで障害が発生。
2021年3月7日 みずほ銀行で定期預金が一時預け入れできない障害が発生。カードローンのプログラム更新作業に伴い、不具合が発生。
2021年3月8日 加藤勝信官房長官は「システム障害が繰り返し発生することは、金融機関の信頼を大きく損なうもので誠に遺憾なことだ」と述べ、原因究明と再発防止の徹底を求めた。
2021年3月11日 金融庁が、みずほ銀行と親会社のみずほフィナンシャルグループに対して、3日と7日に発生したシステム障害に対し、それぞれ銀行法に基づく追加の報告命令を出していたことが判明。金融庁が短期間に3回の報告命令を出すのは異例のこと。
2021年3月12日 みずほ銀行は11日深夜にデータセンターの機器が故障し、予備機に切り替わらなかったことから、法人顧客を中心に国内他行向け外貨建て送金に300件強の遅れが生じた。
藤原弘治頭取は「このような事態が続いていることを極めて重く受け止める」と述べる
2021年3月18日 麻生太郎金融相は「2週間という極めて短期間で4回の障害が起きている」と不快感を示した。その上で「(顧客に)非常に影響を及ぼし、信頼・信用を損なう大変遺憾なことだ」と強調。
2021年3月22日 みずほフィナンシャルグループはシステム障害の原因を外部の目で究明する「システム障害特別調査委員会」のメンバーを決定したと発表。
2021年3月25日 みずほ銀行はATMにキャッシュカードなどが取り込まれた顧客に対し、おわびとして5000円分のクオカードを送ることを明らかにした。
2021年3月31日  みずほ銀行と親会社のみずほフィナンシャルグループはシステム障害に関する報告書を金融庁に提出
2021年4月5日 みずほ銀行は3月11~12日に発生したシステム障害をめぐり、原因となった機器を開発した日立製作所側への損害賠償請求も視野に協議を進める。復旧手続きが日立側で確立されていなかったことが障害長期化の一因となったとの認識を表明。
2021年6月10日 10日夜の「藤原弘治頭取辞任」報道された。金融庁は、みずほが23日の株主総会を前に処分発表で幕引きを急いだと受け止めた。
2021年6月15日 みずほフィナンシャルグループは、原因究明を進めてきた第三者委員会が取りまとめた調査報告書を公表。「経営陣以下のシステムリスクに対する感度の低さ」「有事の対応で顧客利益に配慮する姿勢が足りなかった」「システムの欠陥ではなく、運用する人為的側面に要因があった」「問題意識が欠如していた」「危機対応力の弱さが顕著に表れた」「システム統制力に脆弱(ぜいじゃく)性があった」。
役職員に問題解決への積極的・自発的姿勢が欠ける背景に「積極的に声を上げることで、かえって責任問題となる」という「体質や企業風土」が影響していると分析。みずほの坂井社長と藤原頭取らが記者会見で、藤原頭取の辞任に関しては「決定した事実はない」とした上で、「再発防止の立ち上がり状況を見た上で必要な人事は考えていく」と述べた。
藤原頭取は今月末に引責辞任する方向だったが当面続投し、再発防止に取り組む。
2021年6月17日 新システム稼働後も月平均140件のキャッシュカードや通帳の取り込みが発生していたことが判明。しかし、当時は公表しておらず、金融庁にも具体的な件数など詳細は届け出ていなかった。
2021年8月20日 みずほ銀行とみずほ信託銀行は20日午前、システム障害により全国の店舗窓口で振り込みや入出金ができない状態になったと発表。両行は、システムにおける「ハード障害」が発生したと説明。外国為替送金の取引で11件、計3500万円分の遅れがあった。

バックアップ機能への切り替えで失敗が重なり、復旧に時間を要した。東京都内にあるシステムのメインサーバーには二つのディスク装置があり、一つが故障すると予備装置に切り替わるはずだったが、起動しなかった。さらに同拠点内にあるもう一つのサーバーへの切り替えも失敗。不測の事態に備える千葉県内のサーバーで復旧作業を始めたが、全ての取引が正常化したのは翌20日の営業開始から3時間が経過した正午ごろだった。しかし、肝心の顧客への周知は営業開始30分前の午前8時30分。
2021年8月21日 金融庁は、今回トラブルが発生した同行やみずほ信託銀行に対し状況を把握して的確に対応するよう指示し、銀行法に基づく報告命令を出した
2021年8月23日 みずほ銀行のATM130台が一時利用不能に。原因はネットワークが不安定ためと発表。
2021年9月8日 みずほ銀行のATM最大100台が一時利用不能に。また、インターネットバンキング「みずほダイレクト」が同日午前9時20分ごろから一時、利用できない状態になった。ATM27台では現金の取り込みも発生した。原因はハード機器の故障。
2021年9月9日 金融庁がみずほ銀行に対し、銀行法に基づく報告命令を出した
2021年9月21日 金融庁が直接監督する「管理命令」の発動に向けた検討に入った。
2021年9月22日 金融庁はみずほフィナンシャルグループとみずほ銀行に対し、業務改善命令を出した。みずほにシステム更新について報告させることで、事実上、システム運営を金融庁が管理する
2021年9月30日 一部の外為取引の処理に遅延が発生

 

果たしてみずほフィナンシャルグループとみずほ銀行はどうなってしまうのか?

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